第二章:アルドロス
「ミレイユ様、本日は久しぶりにアルドロス様がいらっしゃいます」
そうメイドから伝えられてミレイユはパッと顔を輝かせた。クッキーを贈ってからすぐのことだったので、尚更嬉しかったのだ。ミレイユは早速メイドに銀色の髪をかわいく結い上げてもらうと、お気に入りのドレスを着て軽く化粧した。化粧といっても薄く口紅を塗るくらいだ。
ウェーブがかった銀色の髪は月のように美しく輝き、結い上げたメイドが思わずため息を付くほどだった。髪にはレースのついたリボンをつけている。誰が通り過ぎても振り返るほどかわいらしかった。
「ミレイユ」
アルドロスが訪ねてきた。そしてミレイユの姿を見てギョッとする。
「アルドロス!」
ニコッと微笑むミレイユにたじろぐように後ずさりするアルドロス。ゴクリと唾を飲み込むと、ふたりで部屋のソファに並んで座った。
「どうしてそんなに遠くに座るの?」
ミレイユが不思議そうに聞くと「なんとなく」とアルドロスは言った。だが部屋にふたりっきりになるのも、こんなにも近くにいるのも久しぶりだったのでそんなことは気にならなかった。
「謝らないといけないことがある」
久しぶりの会話に嬉しそうにしていたミレイユの顔がきょとんとした。それを横目でちらっと見ながらアルドロスは言った。
「前みたいに遊べないし、こうやって部屋で2人っきりになるのももうしばらく出来ない」
「どうして?」
「なんだか身体がおかしいんだ。ミレイユに酷いことしそうで」
ぼそっとそうつぶやくアルドロスは、ひどく辛そうでなにかを必死に耐えている顔をしていた。
「酷いこと? もしかして、私を自分のものにしたい、とか?」
ギョッとしてアルドロスは顔を上げるとミレイユを見た。
「いいよ。私、もうアルドロスのものだもん。だから、私をもうひとりにしないで」
またひとりになると思うと寂しさからミレイユは思わずポロッと涙を流した。アルドロスはぐっと唇を噛みしめるとミレイユを抱きしめる。ミレイユはびっくりしたが、久しぶりに触れられて恥ずかしさと嬉しさで胸がいっぱいになった。ミレイユも腕を回してアルドロスの肩に顔を埋める。本と羊皮紙のにおいがしてとても心が落ち着いた。
身体を少し離してお互い見つめ合う。
「ごめん」
突然謝られてミレイユはきょとんとする。するとミレイユの視界が反転してアルドロスに押し倒された。押し倒したアルドロスを見ると、今まで見たこともない切なそうな顔でミレイユを見ていた。その表情の色っぽさにミレイユはドキッとする。
なんだか怪しい雰囲気にドキドキしているとアルドロスがキスしてきた。それは触れ合うような優しいキスだった。初めてのキスにびっくりしたが、嫌ではなかった。次第にアルドロスの息遣いが乱れてきて噛み付くようなキスになる。舌が絡む深いキスになりミレイユはギョッとした。
目を開けてアルドロスを見るとアルドロスはじっとミレイユを見下ろしていた。その茶色の瞳がいつもと違う。丸い瞳孔が縦に伸び、瞳の色も鮮やかで濃い。まるで獣のような鋭い瞳にミレイユは目を見開く。足でぐっと身体を押さえつけられ、身体が密着する。アルドロスの赤い長髪がミレイユの胸にかかった。ドクンドクンと心臓が苦しい。強い力でソファに縫い付けられぼんやりとアルドロスを見上げるしか出来なかった。
「ミレイユ...」
アルドロスは唇を離すと、ミレイユの肩口に顔を埋めて苦しそうに呼んだ。そんなアルドロスを見ているとミレイユも同じように苦しくなってきて、思わずアルドロスの赤い頭を撫でる。するとさらに肩口で唸るような声が聞こえてミレイユはビクッとした。まるで獣の唸り声のようだったのだ。
顔を上げたアルドロスは切なそうな表情だったのでミレイユは困った。アルドロスがミレイユの紅色の頬を撫でると顔を近付けた。今度はさっきと違ってとても優しいキスだった。唇を離すと今度は首元にキスして、段々と下へ下がっていった。
「ア、ルドロス...?」
戸惑うミレイユの声を無視して、開いた胸元に何度もキスするアルドロス。鋭い瞳に見上げられる度にミレイユはドクンと心が跳ねた。アルドロスの膝がぐっとミレイユの足の間に入ってきて足が閉じれなくなり不安で足を閉じようとする。するとドレスを膝まで捲られたので「ひゃっ!?」とミレイユは小さな声を上げた。見ると生足が丸見えでミレイユの顔が真っ赤になった。すこし膨らんできた胸をアルドロスに触れられてさらに顔が赤くなる。
恥ずかしそうにもじもじするミレイユをアルドロスは縦長の瞳孔でじっと見つめた。欲望に火がついたアルドロスが腰を押し付けると足に固いなにかが当たり、ミレイユは不思議に思う。なにかをポケットに入れてるのかと思い手を伸ばすと、それは固い棒のようなものだった。なんだろう?形をもっと確かめようと手で包むようにさすると、アルドロスがうっと呻いてそれをぐっと手に押し付けてくる。アルドロスを見上げるとさっきより苦しそうに眉を寄せているが、それがどこか色っぽくてミレイユはドキッとした。
「これ、なにかポケットに入れてるの?」
艶っぽいため息をつくアルドロスにミレイユはそう訊ねると、アルドロスは濃い瞳をじっとミレイユに向けた。
「見たいか?」
真剣な眼差しのアルドロスにミレイユはコクンとうなづくと、アルドロスは起き上がってズボンを脱ぎ出した。思わずきゃっとミレイユが顔に手を当てるが、アルドロスは構わず前をくつろげると、ぴょこんとピンクのなにかが顔を出すのが見えた。
ミレイユはなんだろうとまじまじと見る。それは天を向いてそそり立つ男の子の証だった。リオネルのおしめを替えたときに男の子のあそこは見たことがあったが、アルドロスのそれはリオネルのそれと全く違っていた。リオネルのよりも大きくて上向きにピンと立っているのが不思議で、ミレイユはじっとそれを見つめた。
自分と違うものが付いてるだけでなんでこんなにも興味を引かれるんだろう。ズボンをくつろげたままのアルドロスは、ミレイユの手を掴むとそそり立つそれに触れさせた。ミレイユが恐る恐る先っぽを少し触ると、それは思ったよりつるつるしていて温かかった。
もっと触ってみたいと、さらに手を伸ばしてそれを握るように触れると芯があるのか想像よりずっと固い。これが足に当たってたんだとミレイユは納得する。アルドロスは長いまつ毛を伏せながらじっとして、ミレイユの好きなようにさせてくれた。
ミレイユはアルドロスの美しい顔を見ながら、アルドロスの股間にこんなものが付いてたんだと不思議に思った。アルドロスは赤い髪を肩まで伸ばしており、まつ毛も長い。すらっとした鼻に薄い唇の、とても中性的な容姿をしていた。だからか、こんなにも雄々しいものが生えてるだなんて余計に不思議だった。
そんなことを考えていると、目を伏せていたアルドロスがミレイユを見た。その鋭い瞳に射止められてミレイユはドキッとする。
思わずパッとアルドロスのあれから手を離すと、アルドロスはミレイユに覆いかぶさった。じっと見下ろしてくるアルドロスと見つめ合うミレイユ。怪しい雰囲気が漂っていた。アルドロスの目を見ていると、相変わらず瞳孔が縦に伸び色が濃くなっている。
「目、どうしたの?」
ミレイユが聞くと、アルドロスはミレイユの目の下を指で触った。
「お前の目もこうなってる」
えっとミレイユは目を見開いた。自分もアルドロスみたいに獣のような瞳になってるのだろうか。
「見てみたい」
そういうと、アルドロスは深くキスしてきた。「あとで」とキスの合間につぶやく。ミレイユはじゃあ後で鏡を見ようと思い、アルドロスとのキスに夢中になった。アルドロスが胸をやわやわと揉んでくる。ドレスを脱がされ下着になると、パンティをズラして指を入れてきたのでミレイユはビックリした。
「ひゃっ...!?」
思わずアルドロスの袖を掴んで身体を硬直させる。だが、ミレイユは抵抗しなかった。それはアルドロスにそうされるのが嫌ではなかったから。アルドロスはミレイユの秘所を優しく撫でるように触ると、中指をつぷりと入れた。そこは温かく、ぬるぬるしてとても狭かった。ミレイユは異物感にぶるっと震えると怖がって腰を引いた。アルドロスが「大丈夫だから」と冷静な声で言ってくる。ミレイユはなにが起こってるのかさっぱり分からなくて戸惑った。
「女の子はここに穴があるんだよ」
「えっ、そうなの?」
ミレイユはびっくりする。アルドロスがうなづいた。ミレイユも指を伸ばして探ってみると、アルドロスの指が入ってるところに確かに穴があるのが分かった。
「知らなかった」
戸惑うミレイユに、アルドロスは淡々と言う。
「ここに子種を注ぐと赤ん坊が出来るんだ」
「えー、じゃあリオンもそうやって出来たの?」
弟のリオネルが頭に浮かぶ。アルドロスはうなづくと、ミレイユの中で指を出し入れし始めた。まだ異物感に慣れないミレイユはくすぐったそうに身体を捻った。すると、アルドロスが穴の上にあるクリトリスを親指でくりっと押す。その途端、ミレイユの身体に電気が走った。アルドロスがクリトリスをいじる度にビクッビクッと何度も跳ね上がり、ミレイユは初めての快感に「あっあっ…」と声を上げる。
そんなミレイユをアルドロスは愛おしそうに見ると、ミレイユの胸をなめる。アルドロスが自分の胸をまるで赤ん坊のように吸ったり、なめたりしている姿にミレイユはビックリしたが、与えられる強烈な快楽に抗えず頬を赤くしながら喘いだ。そのうち逃げ場のない快感に耐えられなくなったミレイユは、アルドロスの袖をぎゅっと掴みながら声を上げてビクビクと震えるとかわいらしい声を上げながらイった。生まれて初めての絶頂にビクン、ビクンと何度も腰を痙攣させぼうっと宙を見つめる。アルドロスはミレイユの蜜壺が何度も激しく収縮するのを指で感じて股間を熱くさせていた。
ミレイユがぐったりした表情でアルドロスを見上げた時、ミレイユは声を上げそうになった。アルドロスの瞳の色が変わっていたからだ。こげ茶色だった瞳が、鮮やかな蒼色になっている。
「アルドロス、目が...」
アルドロスはなにも言わず早急なキスをすると、真上からミレイユに覆いかぶさった。ミレイユの足の間に身体を入れ、噛み付くようなキスをする。明らかに様子がおかしいアルドロスにミレイユはぎょっとするが、初めての絶頂で身体がぐったりして思うように動かない。片足を上げられてアルドロスがぐっと腰をあそこに擦り付けてきた。アルドロスの硬い肉棒がミレイユの敏感なあそこに当たり、ミレイユは顔を真っ赤にさせる。
「ミレイユ...」
アルドロスはじっとミレイユを見下ろした。ミレイユは呆然とアルドロスの蒼い瞳を見上げる。獣のような瞳はそのままに、色が蒼になるなんて。あまりの状況にミレイユは頭をぼんやりさせながら現実逃避するようにキレイだなあと思っていると、アルドロスがミレイユの目を見て「キレイだ」とつぶやいた。もしかして、私の瞳もアルドロスみたいに色が変わってるのかな。そうミレイユは思う。
しばらくお互い見つめ合っていたが、突然アルドロスが身体を起こして服を脱ぎ出した。前をくつろげたズボンも全て脱ぐと、アルドロスの立ち上がった男の証がハッキリと見えてミレイユはとても恥ずかしくなる。グイッとミレイユの両足を開き身体を寄せると、アルドロスはミレイユの腰に自分の腰を近づけた。
「ごめん、もう無理」
そう言ってすぐにアルドロスはグッと腰を押し進めた。ミレイユは突然襲ってきた圧倒的な異物感にビックリし、それがお腹の中を満たしていくのに恐怖を覚え身体を硬直させた。アルドロスが腰を押さえてググッと力を込めて進んでくる。声を出すことも出来ず、ミレイユは襲ってきた痛みをなんとか逃がそうとベッドのシーツを握った。
「いっ! 痛いっ!」
やだぁ、と声を出すミレイユに蒼い瞳を向けながら、アルドロスは容赦なく全ての肉棒を挿入した。じわりと血がにじんで真っ白なシーツを汚す。アルドロスはミレイユに覆いかぶさると、グッグッと腰を揺らした。その度に傷付いた壁が擦れて痛かったが、アルドロスは止めなかった。
ミレイユがアルドロスを見上げると、蒼い瞳を細め恍惚とした表情で腰を動かしている。とても気持ちよさそう、とミレイユはぼんやり思った。ミレイユはなんとなく、自分の穴にアルドロスの肉棒が入ってるのだろうかと理解する。だから痛いんだ、と。しかし、アルドロスにとってはすごく気持ちがいいらしい。何度も腰を動かしては硬いあれを出し入れしてるのが分かる。
はあっ、はあっとアルドロスの息が荒くなり、腰がどんどん激しくなっていく。奥にコツコツと先っぽが何度も当たるのが気持ちよくて、ミレイユは思わずアルドロスが動かしやすいように足を開いた。それを知ってアルドロスが伏せていた鋭い蒼の瞳をミレイユに向ける。「あっ、あっ、あっ!」とガクガクと揺れるミレイユにキスすると「っう、ミレイユ出るっ...!」とつぶやいた。
ミレイユが出るって?と疑問に思ったその時、ピストンがさらに激しくなり、アルドロスがぐうっと呻いて肉棒を引き抜いた瞬間。びゅーびゅーっと白いドロドロした熱い液体が勢いよく飛んできた。さっきまでミレイユの中にいた肉棒は赤く大きくなっていて、先端から何度も白い液体を吐き出していた。出す度にビクッビクッと肉棒が跳ね上がり、ミレイユの身体に大量にかけていく。アルドロスを見上げると、整った眉を寄せて苦しそうにしていた。白い液体はしばらく出続け、最後はぴゅっぴゅっと出し尽くすとアルドロスは息を荒らげてミレイユに倒れ込んだのだった。
「これなに?」
ミレイユが顔にかかった液体を指で拭うと、アルドロスもシーツで拭いてやった。
「俺の子種だ」
「子種? これを中に出すと赤ちゃんが出来るの?」
「ああ」
アルドロスはうなづくと、またミレイユの足を上げて挿入したのだった。そして何度も激しく腰を打ち付け始める。
「んっ、んっ、えっ、もっかいするの?」
「何度もするよ」
繋がったままキスをしてアルドロスはそう言う。何度も?とビックリするが、アルドロスは気持ちよさそうに出し入れしていた。アルドロスが気持ちよさそうにするとミレイユも嬉しくなる。それに、アルドロスが奥を突くとじんわりとした気持ちよさがあって、ミレイユは段々それに溺れていった。
「あっあっ! あっ!」
何度も激しく突き上げられてミレイユは初めて中でイった。
「うっ」
そのときアルドロスはミレイユの中がきゅっきゅっと何度も強く締まるのを感じ、強烈な快感に肉棒を外に出す余裕もなく出していた。温かく柔らかい壁に包まれながらびゅーびゅーっとさっきより勢いよく出る肉棒にアルドロスは快楽で身体を痙攣させる。尿道をドロっとした精子が通る度に肉棒と腰が跳ね上がった。中に直接出すのはとてつもなく気持ちがよかった。
「あっ...ぐっ...! あぁ、うっ...はっ」
ビクビクッと何度も跳ねる肉棒を、ミレイユのあそこが柔らかく包み込み、たくさん出させようとキュッキュッと締まる。ミレイユはイった瞬間、アルドロスが急に動かなくなったので不思議に思い、身体を動かした。
「うあっ」
そのとき射精している肉棒が擦られ、さらに強烈な快楽がアルドロスの身体を駆け巡った。出し尽くしかけていた精子が勢いよくびゅーっびゅーっと大量に出るのを感じた。
「ぐぅっ...あぁ!」
あまりの快楽に自然とアルドロスの口からよだれがこぼれる。微かに眉を寄せて苦しそうに、だがとても気持ちよさそうに惚けているアルドロスにミレイユは釘付けになった。見ているだけでお腹の下がムズムズしてキュッと締まるのが分かる。すると、アルドロスがビクッと震えた。グッグッと何度も腰を押し付けるとアルドロスはミレイユの横にゆっくり倒れ込み、お互いはあはあ、と荒い息を吐き出しながら目を瞑る。目を開けたとき、ミレイユは股間から熱いものが溢れ出る感覚がしてなんだろうと手を伸ばす。
ヌルッと粘ついたものが指に付いた。見てみると、白くトロリと滴るそれはアルドロスの子種だった。ぼんやりした目でそれを眺める。
「あっ...」
隣から手が伸びてミレイユのお腹を優しく撫でてきた。アルドロスを見ると息を整えながらまだ目を閉じている。ふっと目が開いたとき、蒼い瞳ではなくなっていた。茶色に戻ったが、瞳孔は縦長のまま。獣のような瞳に見つめられてミレイユも見つめ返していると、アルドロスが起き上がって軽く口付けした。
「痛いところは?」
「ここ...」
顔を赤らめながらジンジンする蜜壷を手で示すと、アルドロスは冷静な表情でそこを眺めた。ちょっと落ち着いたようすのアルドロスにミレイユはほっとする。アルドロスは自分のカバンから軟膏のようなものを取り出すと、蓋を開けてクリームを手に取った。
「それ、なに?」
「ただの傷薬だよ。そのままじっとしてて」
ミレイユの足元に移動すると、ぐいっと足を左右に開いた。ミレイユの恥ずかしい場所をアルドロスにはっきり見つめられて、ミレイユは顔が真っ赤になる。アルドロスは真剣な表情でクリームを蜜壷に優しく塗ってくれた。アルドロスの指が触れる度にピクッピクッと腰が震えてしまうが、アルドロスは気にしていないようだった。
塗り終えたのかアルドロスは軟膏の瓶を置くと、ミレイユに覆いかぶさって口付けた。優しく舌を絡ませてくる。ミレイユも応えようと舌を絡ませると、アルドロスがぐうっと呻いた。ミレイユの肩口に顔を伏せて、しばらくそのままじっとしている。
ミレイユがどうしたんだろうと不思議に思い、赤い髪を撫でると結び目に指が引っかかり髪がほどけて背中に広がった。アルドロスは髪を解くと中性的な容姿が女の子よりになる。その姿があまりにキレイだったので、ミレイユはうっとりと見つめた。
いましがた、この女の子のように見える美しい雄に子種を注がれたのだと思うと子宮がキュンとする。思わず足をすり合わせると、それを見たアルドロスがニヤリと笑った。
「ちょっと待ってろ」
すると、アルドロスは立ち上がって自分のカバンのところまでいくとゴソゴソ探り始めた。青い小さな小瓶を取り出してポンっとコルクを抜き口に含む。ミレイユが首をかしげながら見上げていると、アルドロスが歩み寄ってきてミレイユの上体を起こすと深く口付けてきた。とたん、苦い液体が口いっぱいに注がれてミレイユはびっくりする。アルドロスが後頭部を押さえているので逃げることが出来ずにミレイユはこくりと不味い液体を飲み込んだ。全て飲み終えるまでアルドロスは離してくれなかった。
ようやく全部飲むと、アルドロスは離して説明してくれた。これは避妊薬なのだという。
「ミレイユ、ごめん。我慢できずに中に出した。辛かったか?」
アルドロスは目を伏せて申し訳なさそうにしている。ミレイユは首を振るとアルドロスに抱きついた。アルドロスはびっくりして目を瞬く。
「なんだかよく分からないけど、嫌じゃなかった」
すこしだけお互い見つめ合う。はにかむミレイユにアルドロスはほっとした。そしてミレイユは爆弾を落とす。
「またしよ?」
こてんと首をかしげ、かわいらしく微笑みかけられて、アルドロスは欲望がむくむくと膨れ上がり、急激に股間が熱くなっていくのが分かった。思わず押し倒して激しい口付けを落とす。いつも冷静なアルドロスが噛み付くようなキスをしてくる、その姿に燃え上がるような感情を感じてミレイユも身体を熱くした。
「あっ! あっ...あぁっん、あっあっあっ...」
「くぅっ...はあ、はあ、ミレイユ...くぁっ、出るっ...!」
止まらなくなったアルドロスはまたミレイユに挿入すると、ガツガツと遠慮なく腰を動かした。ミレイユは突然のことに驚いたが、すぐに快楽に身を委ねて気持ちよさそうな顔をした。
一際強く突き上げると、アルドロスは身体を震わせた。
ビュービュー!びゅるるるっ、びゅっ、ビュー!ぴゅるっぴゅっぴゅっ...ビュルっ
身体中の全ての子種をミレイユに注ぎ込む。一滴も残らず奥へと注ごうと、グッグッと何度も腰を前後させた。注いでいる間、何度もキュンキュンとあそこが締まり、腰が砕けるような快楽の電気が背中に走った。アルドロスは目の前で乱れて喘ぐ銀髪の美しい少女をうっとりと眺めると、汗で濡れた陶器のような肌をなめた。自分を見上げる瞳は潤んでいる。何度、子種を注いでも足りない。この娘の腹に己の子どもを孕ませろと、強く本能が訴えかけてきて堪らない。
熱にうなされたように、何度もアルドロスはミレイユを組み敷いて合体した。ぐったりしているミレイユを繋がったまま抱き上げて、向かい合わせに座らせ、下から突き上げる。
「あっ、あっ…! んっ、あっひゃっん」
かわいい喘ぎ声が部屋に響き渡る。アルドロスの魔法で部屋中に防音壁を築いているため、アルドロス以外は誰の耳にも届かない。そのことに雄の本能がひどく満足する。
「ミレイユ...」
閉じていた瞳が、呼びかけに開く。黄昏色の瞳が美しい銀色に変わっていた。瞳孔も縦長に変化し色も濃くなっている。その瞳を見つめると股間がさらに熱くなるのを感じた。さらに突き上げると、喘ぎ声と銀色の美しい髪が舞う。狭い蜜壷に肉棒を何度も出し入れし、キュッキュッときつく絞まる肉壁に耐えきれず白濁とした子種を放出させた。
びゅるるるっ、びゅーびゅーっ、びゅー、びゅるるっ、ドクッドクッ、どびゅっ。
ぐっとミレイユの腰を強く押さえ、一番奥に出そうと肉棒をさらに突き上げる。ミレイユの体重も相まって今まで以上に奥に挿入され、ミレイユは目を見開いた。
ミレイユのお腹の中で射精する度に、快楽でビクッビクッと太い肉棒が痙攣するのが分かった。最後まで出し切った肉棒をヌルりと引き抜くと、真っ赤になった肉棒が快感の余韻でピクピクと震えている。
「ミレイユ...好きだ」
「アルドロス...」
抱きしめられたまま、ミレイユはびっくりした。腕を持ち上げてアルドロスの身体にまわす。
「私も、アルドロスが好き」
ふたりは見つめ合うと優しくキスした。気だるい雰囲気が、ふたりを包み込んでいた。